rm_pochi1955 63M
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7/2/2006 8:20 pm

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7/2/2006 8:32 pm



花を活ける習慣が出来てもう久しい。

 休日になるとああでもない,こうでもないとやるけれど,上達しているという実感は全くと言っていいほど無い。それどころか,だんだんと自分には才能なんか無いのではなんて思う。川瀬敏郎や刈谷崎の凄さが等身大で理解できるようになってきて,彼らの作品集を見ると,素直に劣等感を感じる。

 それでも花を活けるのを止めないのは,極稀にではあるけれど,これは上手く入ったなあと自画自賛できることがあり,その高揚感が忘れられないと言うのが偽らざるところである。もう一つの拠所は,やはり花の美しさの堅固さであろうか。私の下手くそな活け方でも,花の美しさ自体を損なうことは決してないだろうと言う確信。もしこれが思い違いならそれが一番怖いわけだが。

 アレンジに疲れて,赤いバラをバカラの一輪挿しに挿す。私の生け花の原点みたいなもので,誰が活けても綺麗に決まっているし,これまでの稽古はなんだったんだろうとつくづく思う。
 たった一輪の少し物足りないような,寂しいような,静けさが良い。

 昔,花屋でアルバイトをしたことがあった。若い男の客は,「贈り物ですか?」 (ハイ) 「赤いバラにしましょう」でほぼ確実に済んだものだ。男は,女性への贈り物は赤いバラが一番だと考えているらしい。
 実際に自分で花を部屋に飾ると,たった一輪のバラでも部屋の空気が変わる。真っ赤のバラは豊かではあるが,饒舌ではなく,オレンジのバラが一番部屋の空気を明るく輝かせるように思う。

 では,女性と会う部屋にはどんな花が似つかわしいのだろうか?
 いつの間にか,枕元にあった花がいつの間にか倒れ,つぶれてしまった事があった。まさに落花狼藉。潰れてシーツに擦り込まれたデンファレの紫がかった紅色が今も鮮明に瞼に残っている。結局は,花の美しさは,私の表層の部分にしか訴えないらしい。少なくとも私にとって,根源的な,本当の意味で抗いがたい魅力は,やはりヒトの女性の花弁に尽きるのだろうと思う。

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