pentahexa 48M
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8/11/2005 9:17 pm

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3/5/2006 9:27 pm



 2004年の暮れ、私の仕事場に彼女がバイトで来たときでした。彼女は21歳の学生で、有名大学に通っているだけあって、仕事はとてもできる子でした。英文書類の翻訳やプレゼン資料の作成など、バイトとはいえ、正社員に近い仕事までこなせた上、人間的にも付き合いやすい子だったので、職場ではとても可愛がられていました。

 当初、僕は、彼女を女性として見てはいませんでした。優秀なバイトさん、という形でしか接していなかったのです。彼女は身長160cm程度で、細身な子でした。スタイルや顔が特に目立つようなわけではなく、外見的にはどこにでもいる、真面目な学生でした。色恋沙汰を職場に持ち込むことは、僕はあまり好きではありませんでしたし、付き合う女性も、すべて自分の業界の外の人ばかりだったので、基本的には彼女に興味はありませんでした。というより、興味を持たないようにしていました。

 そんな彼女との関係が一変したのは、ある春の日でした。その日、職場での仕事が終わった後、皆で飲みに行くことになりました。バイトの子達も誘って、10名程度で居酒屋に行きました。居酒屋の掘りごたつで、僕の彼女がたまたま隣になりました。お酒も入り興も乗ってきた頃から、彼女の膝や太ももが僕の足に当たることが多くなってきました。彼女はそのとき短めのスカートを履いていたので、膝部分は直に僕の足に触れます。

 僕は、少し気を使っていました。すし詰め気味の掘りごたつなので、多少足がぶつかるのは仕方がないとしても、意図的に触ったりしたらセクハラになってしまいます。少し緊張しながらお酒を飲んでいました。一方、彼女は他の同僚の話を、楽しそうに聞いていました。自分の足が僕に当たっていることには、あまり気にかけていないようした。

 そのうち、少し奇妙なことに気づきました。僕とたまたま足が触れてしまった後、彼女が足を触れたまま動かそうとしなくなったのです。僕が離すと、彼女の足も離れますが、また元の位置に戻すと、彼女は触れてきます。お酒が入りすぎたからでしょうか、それとも自分に好意をもってくれているからでしょうか。

 僕自身もお酒が入っていましたし、迷っていました。実際、彼女と触れ合うこと自体は、とても気持ちのいいことでした。彼女の隣にすわると、かすかに香水の匂いがします。彼女が動くと、少しだけその匂いが強くなります。

 飲み会の雰囲気とは別に、僕は自分で勝手に緊張していました。ただ、後から聞くと、彼女も同様だったようです。

 宴もたけなわになった頃、きっかけがありました。すでに食事も終え、酒を飲みながらのお話に、皆が盛り上がっている頃、僕は体勢を崩して掘りごたつの床部分の縁に手をかけて、皆の話を聞いていました。

 そのとき、自分の左手の小指に触れるものがありました。ふと見ると、彼女の手でした。彼女も、僕と同じ姿勢で、僕の手の横に自分の手をおいていました。それは心地のいいものでした。と同時に、心臓の鼓動が高まるのが、自分でもわかりました。ただ、少し酔っていた僕は、気が大きくなっていたのか、そのままでいました。そして−−
 
 彼女が自分の小指を僕の小指に絡めてきたのです。突然のことに驚いて、彼女の顔を見ました。彼女は、皆のほうを向いたまま、楽しそうに話を聞いています。まるで、僕のことなど、眼中にないようです。普段、あまりセクシーさを感じさせない、普通の女性が、こんなシチュエーションで、僕の手に指を絡めてきたことに、僕は少し動揺していました。心臓の鼓動は跳ね上がり、自分の顔が紅潮するのがわかりました。

 動揺が皆にわかってしまうのが、怖くなった僕は、中座してトイレに行きました。しばらくの間、トイレで気を落ち着かせた後、席に戻りました。そして、今度は自分から、もちろん皆にはわからないように、彼女の手をそっと握ってみました。彼女は、その細い指にギュッと力を入れて握り返してきました。

 飲み会が終わって、外にでると、桜の花が満開でした。皆で夜桜を見物しながら駅に向かいました。僕は皆から少し遅れて歩いていました。彼女が僕のそばに来ました。

「お疲れ様でした」

と挨拶する彼女の手を、僕はもう一度握りました。彼女は、さっきよりももっと強く、でも一瞬だけ、僕の手を握り返すと皆が歩いている方に行ってしまいました。

 その晩から、彼女との付き合いが始まりました。そして、その頃はまだ、彼女を奴隷にすることになるとは、まったく思っていませんでした。

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